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最遥遠的距離

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昨日は映画館も併設されている台北之家の紹介をしましたので、今日も映画の話題を1つ。以前にもコメントしたことがありますが、不能説的秘密にも主演されていたグイ・ルンメイさん主演の別の映画を台北で購入することが出来、見終わりましたので紹介します。


↑その映画の名前は最遥遠的距離。ベネチア国際映画祭、そして台湾の映画祭でグランプリを取っているこの映画、見終わった感想ですがなかなか面白かったです。

この映画には3名の主人公が登場します。1人目は録音技師の小湯(莫子儀)。失恋の痛手から立ち直れないままの日々を送っていましたが、思い立って別れた彼女と約束した「台湾」の音を録りに台東へ向かいます。海岸の音、防風林の音、先住民のお祭りの音等々、毎週のように台湾の音を録り、テープを別れた彼女の元に送り続けます。その部屋にはもう新しい住人小雲が住んでいるとも知らずに。。。

2人目は、その元彼女の部屋に越してきた小雲(グイ・ルンメイ)。会社の上司から二股をかけられていますが、それを甘んじて受け入れています。しかしそんな生活に嫌気がさしていた中、以前の住人に届き続けるカセットテープに収められた美しい台湾の音を聞いてしまい、その音に心を惹かれていきます。ある日突然、心がふっ切れて会社を飛び出し送り主の彼とその音探しの旅に・・・。

3人目は精神科医の阿才(賈孝國)です。病院で自分が患者の役になり、患者にトラウマの元を演じさせるというスタイルのセラピーを行っていますが、妻がボーイフレンドを作って家からいなくなってしまい孤独な生活を送っています。

彼も突然仕事に行く気をなくし、3年前の結婚式の招待状を手がかりに大学時代の憧れの人のところに向かう決心をします。住所は台東。

台北という都会に住む3人の孤独な主人公が、台東の旅の中で孤独な心を解放させていきます。それぞれの主人公が自分のルーツ、自分の存在意義に気づき始めるのです。

この映画でちょっと気持ちが悪いのが阿才(賈孝國)の役です。自分自身も精神が正常でない精神科医の役で、ホテルで娼婦と変な会話をしたり、台東の売店で小姐と踊りまくったり、最後に小湯と別れた後で潜水用具を身に付けて海岸沿いの道路をペタン、ペタンと歩き続けたり・・・。映画を見始めたときには眉をひそめてしまいましたが、映画を見終える頃にはこの危うい精神科医の姿が何か視聴者の心にも宿る危うい、そしてけだるい妄想のような余韻を与えてくれました。

グイ・ルンメイさんは言うことなしで素敵でした。台北の生活に憂いの表情を見せていたのが、台東の旅で自分・自分の生活を見つめ直す機会を与えられて生気・笑顔を取り戻していく姿は、彼女以外の女優には演じられない感じがしました。

台北の音楽ショップでたまたま見つけたDVDでしたが、台北芸能ファンの皆様でしたら是非ご覧いただきたい映画です。

この映画の予告編サイトを見つけましたのでここに貼っておきます。興味のある方がご覧になられてみて下さい。

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